電磁気学と自由主義

個人的な電磁気学の勉強メモと、自由主義思想に関するメモ。

qvBとIBLとvBl

■電場Eの力

・F=qE

 

■磁場(磁束密度)Bの力

・F=qv×B(速さvで移動するq[C]電荷が受ける力=ローレンツ力)

・F= IL×B(長さLの導線に走る電流が受ける力)

 

 証明:vは1秒あたりの移動距離。

    電流の定義は1秒[s]当たりに通る電気量[C]。

     L/v=t、q/t=Iより

     L/v=q/I⇔qv=LI

    F=qv×Bに代入するとF=IL×B

 

■磁場中で長さLの導線を動かしたとき、起電力(誘導起電力)が生じる

・導体を動かす=導体中の電荷が動く=電流とみなされる

   F=qvBの力を受けて導体中の電荷が動き始める

   やがて電荷が動くことで発生した電位差とつり合い、動かなくなる。

    qvB=qEvB=E

    E=V/Lより、

    vB=V/L⇔V=vBL

・よって、誘導起電力の原因はローレンツ

・V=vBLとは、V=vL・B(1秒あたりの面積変化×磁束密度=磁束変化)。

・すなわち、磁束を何本横切ったか=誘導起電力の大きさ

 

 

電気抵抗の直列・並列と、かかる電圧

以下は本当にメモ程度。間違っているかもしれない。

直列につないだそれぞれの抵抗にかかる電圧がどのように収束していくのか

イメージができなかったため考えてみた。

 

電圧とは電位差であって、電場ではない。
電場は電位差間の傾斜である。

抵抗値は、抵抗の材質と形状により決まる。
形状が同じでも材質が異なれば抵抗値は変わる。

10Ωの抵抗に100Vの電圧をかけると、10Aの電流が流れる。(1000Wのエネルギー)
40Ωの抵抗に100Vの電圧をかけると、2.5Aの電流が流れる。(250Wのエネルギー)

10Ωと40Ωを直列につないだ抵抗に100Vの電圧をかけると、2Aの電流が流れる。

10Ωと40Ωを直列につないだ抵抗に100Vの電圧をかけると、
10Ωの抵抗には10Ω×2A=20Vの電圧がかかる。(40Wのエネルギー)
40Ωの抵抗には40Ω×2A=80Vの電圧がかかる。(160Wのエネルギー)

10Ωと40Ωを並列につないだ抵抗に100Vの電圧をかけると、12.5Aの電流が流れる。
10Ωの抵抗には100Vの電圧がかかり、10Aの電流が流れる。(1000Wのエネルギー)
40Ωの抵抗には100Vの電圧がかかり、2.5Aの電流が流れる。(250Wのエネルギー)

直列の場合、抵抗の大きさが、かかる電圧を決める。
抵抗がどれだけ電場に仕事をさせるか(エネルギー消費量)を決める。

Eがjを決める。Eを決めるのは何?
Eを決めるのは抵抗においてどれだけ電位差(エネルギー差)が生じるか。

直列に抵抗をつないだ場合、
大きい抵抗にも小さい抵抗にも同じ大きさの電流が流れている。

抵抗は、形状と、材質(電流を担う自由電子がどれだけ含まれているか、
電子の流れを妨げる障害物がどれだけ多いか=移動度)で決まる。

同じ大きさの電流を、大きな抵抗と小さな抵抗に通す場合、
よりエネルギーが必要なのは大きな抵抗であることは自明。
よって電位差(エネルギー差)は抵抗の大きさで決まる。

コンデンサーの極板間に働く力

先ほどの記事で、片方の極板が生む電場Ea=1/ε×Q/2Sと述べた。

さらに、Ea+Eb=1/ε×Q/S=E⇔Ea=Eb=1/2Eであった。

つまり、

 ・極板aの形成する電場Ea=1/2E(極板間の電場Eの1/2)

 ・極板bの形成する電場Eb=1/2E(極板間の電場Eの1/2)

 

電場とは、相手(対象)の電荷に与える力なので、

 ・極板aは極板bの電場から力(Eb=1/2E)を受ける。

 ・極板bは極板aの電場から力(Ea=1/2E)を受ける。

 

さらに、極板a、bはそれぞれQ[C]に帯電しているから、

電場の定義(F=qE)より

 ・極板aに働く力F=QEb=Q・1/2E=1/2QE

 ・極板bに働く力F=QEa=Q・1/2E=1/2QE

 

Sとは極板の片側の面積を表しているということ、

1/2の由来が1/ε×Q/2Sであるということがポイント。

単純に極板間の電場に対して双方の極板が等しく寄与している、

と考えてもよい。

コンデンサーとガウス則

ガウスの法則…点電荷のみならず電荷一般と電場の関係式

電荷Q(点電荷とは限らない)が生む電場E

 ・1/ε×Q/S=E(εは空間の状況により変わる)

②電位…電荷をかけたらエネルギーになるもの。

1/ε×Q/4πrは、点電荷が形成する電位。電荷一般が形成する電位は?
→1Cの電荷に対して電場がする仕事が、電位差。

 ・1[Q]×E×d=V ⇔ V=Ed

■以上から、コンデンサーの公式Q=CVを求める。

Q[C]に帯電している金属板をa、b2枚用意し、サンドイッチ状に並べる。間には誘電体を挟む。
向かい合っている部分だけを考えるから、電荷はQ/2。

よって、片側1枚の金属板aの向かい合っている部分が生む電場Ea

 ・1/ε×Q/2S=Ea

(電気量Qに帯電している金属板の面積は裏表あるから2S。

 よって1/ε×Q/2Sと考えても良い)

金属板は2枚(向かい合っているから)、よって間に通う電場は

 ・Ea+Eb=1/ε×Q/2S+1/ε×Q/2S=1/ε×Q/S=E

この電場E中で1[C]の電荷を片側の金属板からもう片側の金属板までの距離d移動させたとき、
電場Eがする仕事は

 ・1[C]×1/ε×Q/S×d=V ⇔ Q/ε=V/d×S=ES ⇔ Q=ε×S/d×V

すなわち、Q=CVの背後にあるのもガウスの法則ということ。

 

電気回路とマクスウェル方程式

■電気回路は、電場×磁場の電磁エネルギーの流れを以下に集約している。

・電池…電場×磁場のエネルギーを生み出す(供給する)。
コンデンサキャパシタ)…電磁エネルギーのうち、電場エネルギーのみを蓄える。
・コイル(インダクタ)…電磁エネルギーのうち、磁場エネルギーのみを蓄える。
・抵抗…電場×磁場のエネルギーを消費する。

・電圧…電場のかわり
・電流…磁場のかわり

・電磁エネルギーの大きさと移動…E×H
・抵抗(長さd、半径r、断面積S、断面積を囲む閉曲線s)で消費される電磁エネルギー
 ∫(E×H)dS=∫(E×H)・(dd×ds)=∫(E・dd)∲(H・ds)=VI

※「電流が電磁エネルギーを運んでいる」のではない!!(電磁波=光がエネルギーを運ぶ)
※つまり、「抵抗に導線をつたって電流が供給され、電気エネルギーが消費される」モデルは大間違い。
※抵抗に電圧と電流(電場エネ×磁場エネ)が供給され、消費されている。
※電磁エネルギは導体外部の空間を流れ、導線はそのガイドとして機能する。
 そして導線に抵抗があると、周囲空間の電磁エネルギの一部が導体内部に入り込み、
 ジュール熱に転化する。
※ある場所の電磁エネルギーが失われる=ジュール熱に転化するor移動する

■電気回路(定常状態)においては、磁場の時間変化・電場の時間変化がないということ。
 =定電流・定電圧が抵抗に供給されている状態ということ。
 =電池を定電圧源かつ定電流源とみなせるということ。

①マクスウェルの方程式から、定常状態においてrotE=0。

「rotE=0」は電位が定義可能な条件。
rotE=0ということは、電場×距離の周回積分がゼロということ。(キルヒホッフの電圧則)

②マクスウェルの方程式から、定常状態においてrotH=i。

「rotH≠0」から、磁位は定義できない。
rotH=iということは、磁場×距離の周回積分がIということ。

■定常状態に至るまでは、電場・磁場の時間変化がある。
 電圧(電場)が徐々に大きくなる⇒磁場(電流)が発生⇒電場が発生…

電束密度、磁束密度

電荷Qが電場E=電位差をつくる=力の原因は電荷
・電流Iが磁場B=磁位差をつくる=力の原因は電流

・電場Eは電荷に対して仕事をする
・磁場Bは電流に対して仕事をしない(垂直方向に作用するから)
 ※磁荷[Wb]を仮定すれば磁場Bは磁荷に対して仕事をする

・電場Eの単位はN/C  : E=1/4πε× Q/r2、F=q×E
・磁場Bの単位はN/A・m:dB=μ/4π ×Idl/r2、f=qv×B(F=IL×B)
            無限に長い直線電流の場合、B=μI/2πr…アンペールの法則
            円形電流の場合、B=μI/2r
            無限延ソレノイドの場合、B=μNI

誘電率ε=C・C/N・m・m…クーロンからニュートンへ変換する
透磁率μ=N/A・A   …アンペアからニュートンへ変換する

・電束 Q[C]、 電束密度D[C/m2]
・磁束Φ[Wb]、磁束密度B[Wb/m2]

電荷から離れるほど電束密度は小さくなるが、電束は変わらない。
・電流から離れるほど磁束密度は小さくなるが、磁束は変わらない。

よって

・力[N]と関係があるのは電束[C]ではなく、 電束密度[C/m2]。
・力[N]と関係があるのは磁束[Wb]ではなく、磁束密度[Wb/m2]。

・  電荷 が生む力は、電場Eで表される。あれ?電束密度で表さないの?
・磁荷/電流が生む力は、磁束密度Bで表される。

【検討・電場と電束密度
電束密度とは、電荷Q[C]が周りの影響(真空の影響さえも)を受けない前提となっている。
実際に計測される電気的な力は、密度だけに寄らず、電荷周りの空間の性質にも依る。
すなわち、同じ電束密度なのに実際に観測される力が異なる場合がありうる。
そこで、電荷周りの性質を反映させるパラメータを導入する。=ε
電束密度Dに1/εをかけることで正しく電気的な力を表すことができる。

D×1/ε=E…電場

【検討・磁荷/電流と磁場密度】
・磁荷を仮定した場合 :磁場の強さH=[N/Wb]、磁束密度(=磁場)B=[Wb/m2]
・電流が磁場を生む前提:磁場の強さH=[A/m]、 磁束密度(=磁場)B=[N/A・m]

・磁束と磁場の強さの違いは?
磁束Φ→磁束密度B…磁荷の存在を前提から
磁場の強さ→磁束密度…電流が磁場を生むアイデアから

・正しいのは後者。よって磁束密度Bを表すためには磁場の強さH[A/m]から求める。
Hに変換値μをかけて磁束密度Bを算出する。B=μH

よって、電気的な力、磁気的な力を表すのは

電束密度ではなく、電場
・磁荷を前提とした磁束密度ではなく、電流を前提とした磁束密度
 磁場の強さではなく、磁束密度

実際の電気的な力、磁気的な力を描写するには、
電荷から電束密度を求める のではなく 電荷から電場を求める
・磁荷から磁束密度を求める のではなく 電流から磁束密度を求める

電束密度Dに対応しているのは、磁場の強さH…周辺空間の性質を勘案していないもの同士
・電場Eに対応しているのは、磁束密度B…周辺空間の性質を勘案しているもの同士

電束密度Q/4πr2だけでは実際の電場はわからない。
 まわりの環境を反映させて、Q/4πr2×1/ε=電場(電束密度×1/ε)とする。
 これが実際に観測される電場。
 だから、電荷Qから出る電気力線はQ本ではなく電束密度×1/ε×4πr2=Q/ε本とするのだ。
 また、電場の強さは電気力線の密度と一致する(Q/ε÷4πr2=E)。
・磁場の強さI/4πr2だけでは磁場はわからない。
 まわりの環境を反映させて、I/4πr2×μ =磁場(磁束密度)とする。
 これが実際に観測される磁場。